やはり代理店手数料が保険料を高くする根本原因

自動車保険の代理店が車の任意保険成約によって受け取るマージンはどのくらいなものでしょうか。

このマージンは「代理店手数料」と言い代理店型の保険料を高くしている最大の要因だと言われています。

代理店関係者の方は「通販型は優良ドライバーを集めて保険料を安くしているのであって代理店手数料が代理店型の保険料を高くしているわけではない」というようなことを言いますが、代理店手数料は保険料の2割にもなるという話もあり苦し紛れの言い訳のようにしか聞こえません。

2割といえば、代理店型の保険料が10万円の場合だと単純にこの代理店手数料を外すだけで保険料が8万円となって、2万円も保険料が安くなってしまうのですから、やはり代理店型の保険料を高くしている一番大きい要因であることは間違いないでしょう。

さてこの代理店手数料ですが、実際にはどのような形でどのくらいが保険会社から支払われているのかを調べてみました。

実際に代理店をやっている人の回答を質問掲示板で探しまわって、リアルな話をいくつか見つけることが出来ました。

一つ目はこれです。

「自動車保険契約の、車両・賠償等、総ての契約内容の、合計保険料に対して、契約1件、1件計算されて、支払われます。
優秀な代理店で、最優良契約[20等級で1年以上無事故の継続契約]で、お預かり保険料の22から25%位。
駄目代理店ですと、最優良契約[20等級で1年以上無事故の継続契約]で、お預かり保険料の10から12%位。
※同じ代理店でも、等級の低い契約や、デメ契約ですと、下ります。」

「デメ契約」と言うのはデメリット等級(1~5等級)での契約のことのようです。

次も手数料の割合について触れているコメントを二つばかり。

「・・・(代理店手数料は)自動車20%、火災30%ほどです。・・・」

「・・・(代理店手数料は)代理店のランクによって大きな格差があります。
損害保険会社にもよりますが、最高ランクの代理店で保険料の25%程度じゃないですか。
等級によっても、代理店手数料率は異なります。
1~5等級(デメ契約)で保険料の7~8%
6等級で14~15%
7~10等級で16~17%
11等級~で18~19%
ぐらいが『標準的』な代理店の手数料率です。」

ずいぶん生々しい話になっていますが、これらを総合してみると、

①代理店手数料は任意保険料の保険料を基に一定割合になっていること

②代理店手数料の割合は、ランクの高い代理店で最高25%程度、ランクが低い代理店で10%程度

といったところのようですね。

こうしてみると「代理店手数料は保険料の20%」というネットなどでいわれていることがほぼ裏付けられているように思います。

損保業界では「各損保は弱小個人代理店を減らすのに必死」(これも代理店の方の回答の一部)だそうで、現に損保協会のデータによると代理店の数は、ピークだった1996年の623,741店から見れば2014年は204,990店と3分の1以下に減っています。

弱小代理店への締め付けは上のコメントにあるような手数料率の格差付けで行うそうで、契約数が少ないうえ手数料の割合が低くなればやっていけなくなり廃業せざるを得なくなるというわけです。

こうした損保会社による代理店のリストラによってランクの低い弱小代理店はかなり淘汰されたのではないかと考えられます。

このことを考えると、トータルでみた代理店手数料の割合は20%どころかもっと高くなっているのではないかと推測されます。

手数料のほかにたくさんの代理店を束ねるための支店・支社の人件費等もかかりますから、自動車保険の販売を代理店で行うためのコストは、保険料総額の25パーセント近くになっていても不思議はないと思います。

このことは何を物語っているかというと、全く同じ補償・加入条件でも、代理店型の保険料は代理店のない通販型の保険料より25%程度は割高にならざるを得ないということです。

通販型の任意保険より25%程度保険料を高く設定しないとペイしないのが代理店型任意保険なんだということですね。

「通販型は優良者を集めているから安い」などというのは根本要因ではありません。事故を事故を繰り返して1等級になった人が加入を拒否されるのは通販型でも代理店型でも同じことなのですから。

やはり、代理店型の保険料が高くなる根本要因は代理店手数料などの代理店関連コストなのだということが改めてはっきり分かったという思いです。

■クオリティーが低くても同価格で売られる代理店型任意保険

代理店手数料にからんだことで代理店型自動車保険の最も大きな問題点は、「ランクの低い代理店でも全く同じ価格で販売される」ということだと思います。

代理店型任意保険は、補償内容・加入条件が同じであれば、優秀な代理店で加入してもランクの低い代理店で加入しても保険料は全く同じになります。

裏では代理店手数料によって代理店を格付けをしているのに、表ではランクの低い代理店の任意保険だからと言って保険料が安くなることはないのです。

通常の商品ではサービスも含めた商品のクオリティーが高ければその分価格も高くなるのですが、任意保険の場合は代理店サービスのクオリティーが低くても価格が安くなることはありません。

このことから浮かび上がってくるのは、損保会社は代理店を「勧誘マシーン」としてしか見ていないということではないでしょうか。

どう見ても片手間のディーラー代理店よりも専業代理店の方が顧客のメリットが大きいのに、代理店のランクはディーラーの方が高くなるというのもその表れではないでしょうか。

成約の少ないプロ代理店よりも成約の多いディーラー代理店の方が、損保会社にとっては「優秀な代理店」なのです。

こうしてみてくると専業代理店の方々には哀れのようなものを覚えてしまいます。

「事故があったらともかくすぐに通報してくれればそれでいい」としか保険会社は考えていないのに、「事故の時は頼りになる代理店の方が安心ですよ」と訴えて勧誘しなければならない哀れさといったら言い過ぎでしょうか。